
光学顕微鏡
目次
原理と構造
光学顕微鏡の原理は、レンズを通過する光の屈折により、対象が眼に見えるよりも大きく見せることです。
具体的な構造としては、一般的には対物レンズ、接眼レンズ、ステージ、照明装置などから成り立っています。
対物レンズはサンプルと最も近接し、サンプルからの光を集めて実像を作ります。接眼レンズは対物レンズが作った実像をさらに拡大し、目やカメラで観察できるようにします。
観察手順
まず観察サンプルをステージに置きます。
次に、特定の倍率の対物レンズを選び、サンプルと対物レンズが接触しない程度にまでステージを対物レンズに向かって上昇させます。
続いて、特定の倍率の接眼レンズを差し込みます。
最後に、照明装置からの光をサンプルに当て、接眼レンズからサンプルを覗きながら、ステージを少しずつ対物レンズから離していき、焦点を合わせます。
顕微鏡の種類
光学顕微鏡にはさまざまな種類があり、その中でも特に知られているものには蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡、偏光顕微鏡、共焦点顕微鏡などがあります。それぞれ特有の原理と構造を持ち、特定の観察目的に合わせて使用されることが多いです。
蛍光顕微鏡は特定の波長の光を当てることでサンプル中の蛍光物質を発光させ、その蛍光を観察するための顕微鏡です。
位相差顕微鏡は透明なサンプルでもその内部構造を可視化するための顕微鏡で、光の位相差を利用しています。
偏光顕微鏡は光の振動方向を一定にした偏光を用いてサンプルを観察し、特定の物質の存在や配向を調べることができます。
共焦点顕微鏡は、レーザー光を用いてサンプルを点状に照射し、反射光または蛍光を検出することで高解像度の三次元画像を取得します。さらに、共焦点顕微鏡の原理を応用した二光子顕微鏡は、赤外光を用いることで生体深部までの観察が可能となり、特に生体標本の長時間観察に適しています。
一方、電子顕微鏡は可視光ではなく電子ビームを使用して高倍率、高解像度の観察を可能にする顕微鏡で、光学顕微鏡では観察困難な分子レベルの微細な構造を観察できます。しかし、高価であるため一般的な教育現場などでの利用は限られており、またサンプルの準備も困難であり、生体サンプルへの適応は難しいです。

